抵抗性総合リスク値の計算手順を4ステップで示した。概要は次のとおりである。まず、当該する殺虫剤リスクと害虫リスクの各リスク値を乗じた値を求め固有値とする。次に、個々の地域の実情に応じて、それぞれの栽培・地域リスク値を乗じて抵抗性総合リスク値を計算する。
〔Step ① 準備・用意する〕
・評価したい防除暦、防除計画、防除基準等。
・地域の薬剤感受性検定結果や前作の効果情報。無くても構わない。
・殺虫剤抵抗性リスク評価基準書。
〔Step ② 殺虫剤リスク値 × 害虫リスク値 (固有値を計算する)〕
②-1) 評価する殺虫剤・系統を選ぶ
・殺虫剤リスク値を、リスク評価表のリストから選ぶ。
・リストに無い殺虫剤・系統のリスク値は、暫定値「2」とする
・注)地域の薬剤感受性検定結果を反映させない。殺虫剤リスク値は、固有値であるため。
②-2) 評価する害虫を選ぶ
・害虫リスク値を、リスク評価表のリストから選ぶ。
・リストに無い害虫(類)のリスク値は、暫定値「1.5」とする。
〔Step ③ 栽培・地域リスク値 を決定〕
・栽培・地域リスクの評価基準をチェックリストとする。
・該当地域の栽培法での害虫発生と防除法を考慮し評価・チェックする。
・IPM技術の駆使やその頻度をチェックする。
・地域の薬剤の感受性検定結果や前作の効果情報を参考に、リスク値を調整してもよい。
〔Step ④ 抵抗性総合リスク値を計算〕
抵抗性総合リスク値 = 殺虫剤リスク値 X 害虫リスク値 X 栽培・地域リスク値